すくうもの 3
罪人はは絶望する。
罪人は狂気に犯される。
そして、罪人はすくうものになる切欠を掴んだ。
注意:この話から、結構ダークになってきます。多分。
罪人は狂気に犯される。
そして、罪人はすくうものになる切欠を掴んだ。
注意:この話から、結構ダークになってきます。多分。
俺は目の前の光景に、色んな感情が混ざり合うのを感じた。
理不尽に怒り、無常な世界を憎悪し、命が失われたことを悲しみ、自分の至らなさが悔しい。
しかし、それらを押し殺す。もしかしたら、まだ生きている人がいるかも知れない。
あちこち走り回るが、死体しかない。そして、一番後回しにした場所に行くと、俺は絶望した。
ソポク姉の死体が、そこにはあった。
事の経緯を説明する。
村から出て、長い時間馬車を走らせていると、地響きがした。何の気なしに遠く離れたヤマユラの方角を見ると、煙があがっていた。
嫌な予感がした。クッチャ・ケッチャの不穏な噂を聞いたせいもある。タイミング的に、ありえないことじゃない。
「もしかして、クッチャ・ケッチャに襲われたのかも知れないね。あの噂じゃ、いつ攻め込んでもおかしくは無かった」
「……やっぱ、そう思うか。すまん、戻ってもらっていいか?」
「言われるまでも無いよ。助けられるかも知れない命を、失いたくはないからねぇ」
というやり取りをすると、馬車の方向を変えて、急ぐ。
しかし、俺もクトゥネも分かっていた。もし、クッチャ・ケッチャに襲われたのなら、今から行っても、絶対に間に合わないと。
それでも、万が一ということがある。それは絶望を覆うための方便でしかないのは、十分に分かっている。
そう思っていなきゃ、正直やっていられない。
そうこうしながら、走らせていると、人影が見えた。目を凝らすと、テオロだった。
すぐに頭巾を被ると、薬の準備をする。近くにまで行くと、馬車を止め走ってくるテオロに事情を聞くことにした。
テオロはかなり憔悴した様子で、背中には矢が数本刺さっていた。最悪なことに、いくつか急所に当たっており、今の状態じゃ治療をしても、助かる見込みはあまりない。
延命程度なら出来るのかもしれないが、所詮それまで。治療の限界に絶望してしまう。
「クッチャ・ケッチャのやつらが、急に襲ってきやがった。俺はこれから、あんちゃん……この国の皇にこのことを知らせてくる」
「その前に治療だ。そのままじゃ、皇都に着く前に死んでしまう。ヌ……エムシ、手を貸しておくれ」
実際に傷を見ると酷いものだった。思っていた以上に、傷が深い。喋るのも辛い筈だ。
なのに、テオロはそれをおくびにも出さない。俺たちを気遣っているのだろう。自分は死なないから、大丈夫だと。
その優しい嘘に、俺は自分の無力さを思い知らされる思いだった。
人一人助けることが出来ない。その事実は、重い。
治療を終えると、テオロはすぐに走っていこうとしたが、クトゥネがそれを制した。
「待ちな。皇都までなら、送ってくよ。急ぐんだろう?」
「……頼む」
なるほど。確かにそうした方が良さそうだ。でも、俺は一刻でも早くヤマユラに行きたい。
クトゥネの方を見ると、クトゥネは頷いた。お見通しか。
そして、あいつは俺に命令した。
「エムシ、ヤマユラへ急ぎな。誰か一人でも助けられれば儲けもんだ」
言葉で答えずに、行動で示した。急がねば。俺は薬一式と道具を背負うと、走り出した。
途中で、クッチャケッチャの連中と行き会いそうになったが、隠れてやりすごす。
そして、ヤマユラについて、今に至る。
さっきから涙が止まらない。頭巾が邪魔だったので、脱ぐ。
目をこすると、俺はこれからやることを決めた。この村の連中を埋葬してやらないと。
そう思い、早速ソポク姉を抱き上げた。軽い。それが何か、虚しかった。
墓地に行くと、そのあたりに常備されている道具を使って、穴を掘る。
きついが、何とか深い穴を掘ると、その中にソポク姉を安置し、土を盛る。その最中、ソポク姉が起きて俺を叱るんじゃないかと、いう妄想に駆られたが妄想は妄想でしかなかった。
出来ることなら、その妄想の通りになって欲しかった。きっと、起きたら「わざわざ墓まで行って、こんな悪戯をするんじゃないよ!!」って怒るんだろうな、と思った。
で、俺はそうなったら、ソポク姉に怯えながら謝ったりするんだろう。
……ほんと、そうなって欲しかった。何でそうなってくれないんだ。
何で、ソポク姉が死ななきゃならなかった。何で、皆死ななきゃならなかった。何で、村が滅んだ。
虚しい。とにかく虚しい。その虚しさを埋めるように、何度も穴を掘り、何度も遺体を埋葬する。
全てが終わるのに、数日必要とした。墓地はゾッとするぐらい、墓標代わりの棒が突き立っている。
皆、安らかに眠ってくれ。俺にはそう祈ることしか出来ない。信心が薄いが、こういう時ばかりは普段信じてもいない神に祈りたくなる。
ソポク姉の墓の前で、俺は目を閉じた。楽しかったあの日々。迷惑をかけてばかりのあの頃。平和を謳歌して、笑顔を見せていたあの時。
思い出せば、思い出すほど、この村での記憶が蘇る。
しかし、村は永遠に失われてしまった。滅ぶというのは、こんなにも残酷だったのか。
ふと、俺が滅ぼした村のことを思い出した。きっと、こんな風になったんだろう。
何てことをしてしまったんだ。自分の罪の重さを改めて突きつけられた。
その罪の重さに耐え切れず、俺は荷物を纏めると、村から立ち去った。クトゥネの到着も待たずに。
もう二度とクトゥネと会うことも無いだろう。けれど、それでいい。俺はこれから、道を踏み外す。それならば、別れた方がいい。
恩人であるアイツに、そんな俺のことを見て欲しくは無かったし、巻き込みたくもなかった。
だから、これは必然なことなのだ。ただ、黙っていなくなってしまうことに心を痛めながら、俺はまた一歩前に踏み出した。
side クトゥネ
テオロ村長は、ハクオロ皇たちに状況を知らせた後、眠るように逝かれた。
私は彼を助けきれないことが、悔しくてならなかった。自分の持つ技術全てを持っても、助け切れなかったから。
それでも、私は気持ちを切り替えた。いつまでも引きずって失敗でもしようものなら、患者を危険な目に合わせてしまうかも知れないから。
とりあえず、気持ちの切り替えが終わると、クッチャ・ケッチャとの戦が始まったたために増えてしまった、負傷者の治療を始めた。
そんな時に、私は彼女と出会った。ヌワンギから何度か聞いた幼馴染、エルルゥと。
彼女は非常に優れた薬師だった。かつて最高の薬師と言われた、トゥスクル女史の孫であり、弟子なのだから納得と言えた。
彼女の手際を見ると、トゥスクル女史がどれだけ彼女を仕込んだのかが窺える。
「クトゥネさん、休憩しましょう。これで治療は一段落ですし」
「そうさね。んじゃ、向こうでちょっと休もうかい」
二人で、休憩場に向かう。休憩場に入ると、エルルゥがお茶の準備を始めた。
ありがとう、と言いながら座る。お茶を貰うと、すすった。うまいもんだ。久しぶりにお茶を飲んだが、中々味わえないような美味しいお茶だ。
「はぁ〜、こんなうまい茶が毎日飲めるハクオロ皇も幸せ者だねぇ。うちの弟子も、これぐらいうまいお茶を入れられるようになればいいんだけどねぇ」
「ありがとうございます。それにしても、お弟子さんがいるんですね」
「ん、ああ。ヌワンギってんだけど、治療とか薬の知識だとかの吸収はいいんだけど、どうも食事だとかに関する腕がイマイチでねぇ」
こんな感じで、水を向けてみる。余計なお節介だとは思うんだけど、一応ヌワンギの生存を教えておいた方がいいだろう。
ヌワンギの変わりようを、エルルゥに知ってもらいたい。あんなに頑張ってるんだ。それを知ってもらいたいって思うじゃないか。師匠としては。
案の定、エルルゥは食いついてきた。
「あ、あの、そのお弟子さんのことを聞かせてもらっていいですか?」
「……まず、あいつと初めて喋った時、『帰る場所もなくて、行く場所もない。悲しんでくれるやつなんて、いやしない』なんて事をほざいていたね」
「……そ、そんなっ!」
「それから、あいつの身の上を聞いたんだが、まあ自業自得だと思ったよ。でも、私は可哀想なやつだとも思ったよ。償いをしようと思ったのに、自分のしようと思っていた行為が無意味になっちまたんだ。戦争を止めたかったそうだよ」
エルルゥは絶句していた。とりあえず、私はそれに気がつかないフリをして続ける。
「まあ、それで人を救うために生き続けろって喝を入れて、弟子にしたわけさ」
「そう……ですか。ありがとうございました」
「大したことじゃないよ。さ、お茶も飲み終わったことだし、仕事に戻りますか!」
辛気臭くなった空気を換えるようにそう言って、エルルゥを促して、仕事に戻った。
それにしても、ヌワンギのやつは大丈夫なんだろうかね……。本音を言えば、一人だけで置いておきたくはなかったんだけど……。
あの状況じゃ、ヌワンギは無理をしてでも行っただろうから、どうしようもなかった気がするけどさ。
嫌な予感がしてしょうがない……。
side out
アレから数週間。俺はすっかり外道を歩んでいた。
内から溢れる狂気によって、俺は生きた人間、死んだ人間を問わずに解剖し、人体の構造を理解した。
一応、性犯罪をしているような悪人だけを選んでいるが、やはり辛い。
それでも、俺は止まらない。止まれない。人を治せるようになるためにも。
人体の構造を理解すると、人体実験を始めた。そのお陰で、薬がどんな風に作用して体に働きかけるのかを理解した。
その甲斐もあって、薬草やコケ、カビから効く成分のみを抽出することが出来た。
また、その抽出した成分をどう混ぜ合わせると、どんな変化をもたらすのかも理解した。
そのお陰か、救える人間はかなりの人数になった。だけど、まだ足りない。もっと救わないと。
もっとだ。もっと、もっと救うんだ。全ての死から、命を救わないと。
そのためにはもっと、知識を。もっと、もっと、もっと、もっと。
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと
理不尽に怒り、無常な世界を憎悪し、命が失われたことを悲しみ、自分の至らなさが悔しい。
しかし、それらを押し殺す。もしかしたら、まだ生きている人がいるかも知れない。
あちこち走り回るが、死体しかない。そして、一番後回しにした場所に行くと、俺は絶望した。
ソポク姉の死体が、そこにはあった。
事の経緯を説明する。
村から出て、長い時間馬車を走らせていると、地響きがした。何の気なしに遠く離れたヤマユラの方角を見ると、煙があがっていた。
嫌な予感がした。クッチャ・ケッチャの不穏な噂を聞いたせいもある。タイミング的に、ありえないことじゃない。
「もしかして、クッチャ・ケッチャに襲われたのかも知れないね。あの噂じゃ、いつ攻め込んでもおかしくは無かった」
「……やっぱ、そう思うか。すまん、戻ってもらっていいか?」
「言われるまでも無いよ。助けられるかも知れない命を、失いたくはないからねぇ」
というやり取りをすると、馬車の方向を変えて、急ぐ。
しかし、俺もクトゥネも分かっていた。もし、クッチャ・ケッチャに襲われたのなら、今から行っても、絶対に間に合わないと。
それでも、万が一ということがある。それは絶望を覆うための方便でしかないのは、十分に分かっている。
そう思っていなきゃ、正直やっていられない。
そうこうしながら、走らせていると、人影が見えた。目を凝らすと、テオロだった。
すぐに頭巾を被ると、薬の準備をする。近くにまで行くと、馬車を止め走ってくるテオロに事情を聞くことにした。
テオロはかなり憔悴した様子で、背中には矢が数本刺さっていた。最悪なことに、いくつか急所に当たっており、今の状態じゃ治療をしても、助かる見込みはあまりない。
延命程度なら出来るのかもしれないが、所詮それまで。治療の限界に絶望してしまう。
「クッチャ・ケッチャのやつらが、急に襲ってきやがった。俺はこれから、あんちゃん……この国の皇にこのことを知らせてくる」
「その前に治療だ。そのままじゃ、皇都に着く前に死んでしまう。ヌ……エムシ、手を貸しておくれ」
実際に傷を見ると酷いものだった。思っていた以上に、傷が深い。喋るのも辛い筈だ。
なのに、テオロはそれをおくびにも出さない。俺たちを気遣っているのだろう。自分は死なないから、大丈夫だと。
その優しい嘘に、俺は自分の無力さを思い知らされる思いだった。
人一人助けることが出来ない。その事実は、重い。
治療を終えると、テオロはすぐに走っていこうとしたが、クトゥネがそれを制した。
「待ちな。皇都までなら、送ってくよ。急ぐんだろう?」
「……頼む」
なるほど。確かにそうした方が良さそうだ。でも、俺は一刻でも早くヤマユラに行きたい。
クトゥネの方を見ると、クトゥネは頷いた。お見通しか。
そして、あいつは俺に命令した。
「エムシ、ヤマユラへ急ぎな。誰か一人でも助けられれば儲けもんだ」
言葉で答えずに、行動で示した。急がねば。俺は薬一式と道具を背負うと、走り出した。
途中で、クッチャケッチャの連中と行き会いそうになったが、隠れてやりすごす。
そして、ヤマユラについて、今に至る。
さっきから涙が止まらない。頭巾が邪魔だったので、脱ぐ。
目をこすると、俺はこれからやることを決めた。この村の連中を埋葬してやらないと。
そう思い、早速ソポク姉を抱き上げた。軽い。それが何か、虚しかった。
墓地に行くと、そのあたりに常備されている道具を使って、穴を掘る。
きついが、何とか深い穴を掘ると、その中にソポク姉を安置し、土を盛る。その最中、ソポク姉が起きて俺を叱るんじゃないかと、いう妄想に駆られたが妄想は妄想でしかなかった。
出来ることなら、その妄想の通りになって欲しかった。きっと、起きたら「わざわざ墓まで行って、こんな悪戯をするんじゃないよ!!」って怒るんだろうな、と思った。
で、俺はそうなったら、ソポク姉に怯えながら謝ったりするんだろう。
……ほんと、そうなって欲しかった。何でそうなってくれないんだ。
何で、ソポク姉が死ななきゃならなかった。何で、皆死ななきゃならなかった。何で、村が滅んだ。
虚しい。とにかく虚しい。その虚しさを埋めるように、何度も穴を掘り、何度も遺体を埋葬する。
全てが終わるのに、数日必要とした。墓地はゾッとするぐらい、墓標代わりの棒が突き立っている。
皆、安らかに眠ってくれ。俺にはそう祈ることしか出来ない。信心が薄いが、こういう時ばかりは普段信じてもいない神に祈りたくなる。
ソポク姉の墓の前で、俺は目を閉じた。楽しかったあの日々。迷惑をかけてばかりのあの頃。平和を謳歌して、笑顔を見せていたあの時。
思い出せば、思い出すほど、この村での記憶が蘇る。
しかし、村は永遠に失われてしまった。滅ぶというのは、こんなにも残酷だったのか。
ふと、俺が滅ぼした村のことを思い出した。きっと、こんな風になったんだろう。
何てことをしてしまったんだ。自分の罪の重さを改めて突きつけられた。
その罪の重さに耐え切れず、俺は荷物を纏めると、村から立ち去った。クトゥネの到着も待たずに。
もう二度とクトゥネと会うことも無いだろう。けれど、それでいい。俺はこれから、道を踏み外す。それならば、別れた方がいい。
恩人であるアイツに、そんな俺のことを見て欲しくは無かったし、巻き込みたくもなかった。
だから、これは必然なことなのだ。ただ、黙っていなくなってしまうことに心を痛めながら、俺はまた一歩前に踏み出した。
side クトゥネ
テオロ村長は、ハクオロ皇たちに状況を知らせた後、眠るように逝かれた。
私は彼を助けきれないことが、悔しくてならなかった。自分の持つ技術全てを持っても、助け切れなかったから。
それでも、私は気持ちを切り替えた。いつまでも引きずって失敗でもしようものなら、患者を危険な目に合わせてしまうかも知れないから。
とりあえず、気持ちの切り替えが終わると、クッチャ・ケッチャとの戦が始まったたために増えてしまった、負傷者の治療を始めた。
そんな時に、私は彼女と出会った。ヌワンギから何度か聞いた幼馴染、エルルゥと。
彼女は非常に優れた薬師だった。かつて最高の薬師と言われた、トゥスクル女史の孫であり、弟子なのだから納得と言えた。
彼女の手際を見ると、トゥスクル女史がどれだけ彼女を仕込んだのかが窺える。
「クトゥネさん、休憩しましょう。これで治療は一段落ですし」
「そうさね。んじゃ、向こうでちょっと休もうかい」
二人で、休憩場に向かう。休憩場に入ると、エルルゥがお茶の準備を始めた。
ありがとう、と言いながら座る。お茶を貰うと、すすった。うまいもんだ。久しぶりにお茶を飲んだが、中々味わえないような美味しいお茶だ。
「はぁ〜、こんなうまい茶が毎日飲めるハクオロ皇も幸せ者だねぇ。うちの弟子も、これぐらいうまいお茶を入れられるようになればいいんだけどねぇ」
「ありがとうございます。それにしても、お弟子さんがいるんですね」
「ん、ああ。ヌワンギってんだけど、治療とか薬の知識だとかの吸収はいいんだけど、どうも食事だとかに関する腕がイマイチでねぇ」
こんな感じで、水を向けてみる。余計なお節介だとは思うんだけど、一応ヌワンギの生存を教えておいた方がいいだろう。
ヌワンギの変わりようを、エルルゥに知ってもらいたい。あんなに頑張ってるんだ。それを知ってもらいたいって思うじゃないか。師匠としては。
案の定、エルルゥは食いついてきた。
「あ、あの、そのお弟子さんのことを聞かせてもらっていいですか?」
「……まず、あいつと初めて喋った時、『帰る場所もなくて、行く場所もない。悲しんでくれるやつなんて、いやしない』なんて事をほざいていたね」
「……そ、そんなっ!」
「それから、あいつの身の上を聞いたんだが、まあ自業自得だと思ったよ。でも、私は可哀想なやつだとも思ったよ。償いをしようと思ったのに、自分のしようと思っていた行為が無意味になっちまたんだ。戦争を止めたかったそうだよ」
エルルゥは絶句していた。とりあえず、私はそれに気がつかないフリをして続ける。
「まあ、それで人を救うために生き続けろって喝を入れて、弟子にしたわけさ」
「そう……ですか。ありがとうございました」
「大したことじゃないよ。さ、お茶も飲み終わったことだし、仕事に戻りますか!」
辛気臭くなった空気を換えるようにそう言って、エルルゥを促して、仕事に戻った。
それにしても、ヌワンギのやつは大丈夫なんだろうかね……。本音を言えば、一人だけで置いておきたくはなかったんだけど……。
あの状況じゃ、ヌワンギは無理をしてでも行っただろうから、どうしようもなかった気がするけどさ。
嫌な予感がしてしょうがない……。
side out
アレから数週間。俺はすっかり外道を歩んでいた。
内から溢れる狂気によって、俺は生きた人間、死んだ人間を問わずに解剖し、人体の構造を理解した。
一応、性犯罪をしているような悪人だけを選んでいるが、やはり辛い。
それでも、俺は止まらない。止まれない。人を治せるようになるためにも。
人体の構造を理解すると、人体実験を始めた。そのお陰で、薬がどんな風に作用して体に働きかけるのかを理解した。
その甲斐もあって、薬草やコケ、カビから効く成分のみを抽出することが出来た。
また、その抽出した成分をどう混ぜ合わせると、どんな変化をもたらすのかも理解した。
そのお陰か、救える人間はかなりの人数になった。だけど、まだ足りない。もっと救わないと。
もっとだ。もっと、もっと救うんだ。全ての死から、命を救わないと。
そのためにはもっと、知識を。もっと、もっと、もっと、もっと。
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと
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>鎖さん
あー、そこまででもないですか。まあ、ダークって言っても最後のほうだけだしなぁ。
排斥されるかもしれないし、されないかもしれないのでなんとも(えー
>Shinさん
マッドドクターヌワンギ爆誕! って感じですねw
まあ、狂気の報いも受ける日が来るでしょう。多分(無責任
あー、そこまででもないですか。まあ、ダークって言っても最後のほうだけだしなぁ。
排斥されるかもしれないし、されないかもしれないのでなんとも(えー
>Shinさん
マッドドクターヌワンギ爆誕! って感じですねw
まあ、狂気の報いも受ける日が来るでしょう。多分(無責任
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さてと、どこぞの士郎君のようになったヌワンギですが、このままゆくと、士郎と同じように排斥されそうなのでいかに「すくうもの」と称賛されるようになるかが楽しみです。